子どもたちの取り組み
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私たちの測定運動には当初から小中学校の先生方が参加して、学校で大気の測定をしています。
小学校では5年生で公害の勉強をしますが、そこで大気汚染を取り上げ実際に測定をする学校が有ります。
ここでは中でも特徴のある授業3件について報告します。
自分の家の周りのNO2を3日間続けて測定し、平均値を校外地図に書き込んで比較しました。
その結果、自分たちが普段吸っている空気がどのくらい汚れているのかが分かりました。
また住んでいる地域の環境による大気汚染の違いが分かりました。
公害について5年生の4クラスがクラス別にテーマを選び、調べた結果を合同発表会で発表しました。
その中の1クラスが大気汚染の調査を行ないました。
32人、一人一ヶ所を担当し、自分の家の近くで各自が気になる所を選んで測定しました。
3日間の平均値を校外地図に書き込んで比較しました。
自分の家の周り、16号沿いと川沿いの細い道路沿いの空気の汚れを比べました。
その他のクラスでは、日本の公害の歴史、川口川のゴミ問題、食品添加物、について調べました。
自分たちで発案・調査・発表したことだけに、力が入っていてうまくまとめていたし、内容も充実していました。
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5年生の総合学習として環境調査を行ないました。
「大気汚染」、「川の水質調査・下水調査」、「ゴミ問題」、「緑」などについてクラスの枠を外し、
自分の興味が有るテーマ別に集まってグループを作って調査しました。
大気汚染では約20人の子どもが、一ヶ所3回(3日間)測定し、必要に応じて一人1〜3ヶ所の調査をしました。
平均値を校外地図に落とし、比較しました。特に20号沿いの交差点、南浅川沿いの工場付近、住宅付近を調査し、
その空気の汚れ方の違いに驚きました。
川の水質調査では、下水の流入ヶ所が12ヶ所あり、ひどい所では小松菜の芽も出ない水質の所もありました。
化学的酸素要求量CODの調査や水生昆虫などの調査もしました。
下水道達成率の低い所でもあり、水質はかなりひどかったです。
発表は各教室に分かれ、作った資料を壁に貼り、随時説明を行なっていたので、緊張感は無く、
お互いに質問しあって意味深いものになっていました。(山内)
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先生たちの測定
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私たち、八教組が大気汚染測定運動に参加したのが1987年ですから、もう14年になります。
資料によりますと、最初の年は63校で測定されていましたので、市内の小中学校の2/3を越えていました。
当初、学校がこの運動に参加することの意義について、二つほど議論されたことを思い出します。
一つは、測定地点が市内に万遍なく散在しているほうが良いわけですから、
その点学校は好都合であったということ、もう一つは大気の汚染に強く関心を持つことが、
これからの未来社会に生きる子どもたちにとって大変重要であること、
子どもたちに興味・関心を育てる機会にしたいということでした。
後者について言えば、現在、環境問題ということが教育の課題として、環境教育の名のもとに
大きな広がりを見せていることは周知のことです。最初の頃にはいくつかの学校で、子どもたちも
測定に参加したことなどもありました。
今後こうした取り組みが発展していったらという思いがします。
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もう一つ、前者のことについて言えば、14年の間における様々な組合を取り巻く状況の中で、
測定に取り組める学校が大きく減ってしまったことです。継続して取り組める学校と、
そうでない学校との差が有り、全体として本年度は20校に満たない現状です。
万遍なく散在する測定場所と言う趣旨から言っても問題を抱えているわけです。
この点についての改善策を考えなければならない時期にきているのではとないかと考えています。
いずれにしてもこの運動に長い間継続して取り組んでおられる市民の方々の努力に、
少しでも協力できるよう工夫していきたいと思っているところです。(竹田)
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婦人団体の測定
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新日本婦人の会八王子支部では20年以上に及ぶ測定運動を続けておりますが、
途中から大気汚染測定ネットに参加をしてきました。
現在カプセルづくりと比色分析の日に毎回数人参加しています。
新婦人では、全部の班で最低1ヶ所は測定をしてもらい、そのことで喘息など
アレルギー疾患の原因となっている空気の汚れを実感して欲しい、
そしてその一本の測定運動から地球環境を守る事への関心と参加を高めていくことを願い
毎回80〜100本を班に届けています。
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現実にカプセル測定はマンネリ化して「忘れました」とか「時間が大幅に超過しました」等、
比色検査をできないものがもどることも少なくありません。
しかし八王子では(保健所調査によるデータ)大気汚染障害者認定数は、1998年で2775人で、
その6年前に比べ77%も増加していて、大変多いことに驚いています。
青い空、きれいな空気を求めて全国で必死にたたかっている方々と連帯しながら意義を
学び工夫もしながら今後もカプセルの測定を皆さんと、ともに続けていきたいと思います。(和久)
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片倉台団地では
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片倉台自治会は16号バイパス開通以前から20年以上もずっとNO2測定を
年2回途中から年1回になりましたが続けてきました。
はじめのころは多摩丘陵の雑木林がしっかり残っていて緑ゆたかな静かな住宅地でしたが
16号バイパスの開通、16号から野猿街道に抜ける都道の開通によって交通量は増え、
八王子東南部の交通の要所になってしまいました。
さらに2000年5月11日からみなみ野へ抜ける橋も開通し、
片倉台小学校前の信号では朝夕渋滞の列が出来てしまいました。
新しい道路ができて便利になれば車はどんどん集まってきて、またもや渋滞が発生します。
これでは渋滞の場所が変わるだけで新たに車公害で困る人をつくりだすだけです。
時々16号バイパスや中央高速で事故が起きるとたちまち付近の生活道路も大渋滞となります。
新しい幹線道路はスポイト現象といって予想以上に車があつまってきてしまうのです。
さて16号バイパス本線の交通量は開通時予想していた三万台程度で住宅地内の騒音は沿道の
人はあまり問題ではないといっていますが、夏になって窓を開けると南風にのって騒音は
団地全体に拡大してかなり遠くまでワーンという音が聞こえます。
鑓水側の切り通しの近くでは一部跨道橋で防音壁がきれているところで音が
漏れ四六時中騒音に悩まされています。低周波もひどく頭痛や精神不安定にも悩まされています。
大気汚染については冬に逆転層が発生し、朝早く排気ガスの強い臭いがする時があります。
夜明けから大型ディーゼル車が数珠繋ぎに走るのでその影響です。
20年前大型車混入率は64%でしたが16号バイパスができてもかわりありません。
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大気汚染がいかに進行しているかは、防音壁のそばに植えられた樹木が枯れて黒い枝を無残に
もさらしている様子をみればよくわかります。
切り通しちかくで土手が扇状に広がっているので排ガスが拡散せず滞留するからでは?と思われます。
また、防音壁のひさし部分が酸性雨で赤錆がでてきたなくなっています。
早く塗らないとあとでたいへんになるのでは?という声がでています。
道路公団に問い合わせたところ予算がないのでしばらく様子をみてから、と言う返事でした。
排ガスは目に見えず,健康被害も個人差があってなかなかわかりませんが,
かれた樹木や防音壁の赤錆をみればよくわかります。
開通当初は公団も市も最高の公害対策をした、といって満面笑みをうかべていましたが
開通後10数年たってじわじわと汚染が表面化してきました。
自治会のNO2測定の結果は環境基準をはるかにオーバーするほどではありませんが、
団地内のメイン道路や小学校前の都市道路計画などは0.05ppm台がでています。
これからも自治会ぐるみでのNO2測定を続けしっかりとデータを蓄積し今後の対策に備えていく必要があると思っています。
(土方)
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南陽台自治会
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南陽台団地では、1996年から自治会として測定に参加しています。
この間、団地内にはあまり環境の変化は無く、測定値の変化は、当日の気象状況によるものではないかと考えられます。
ただし、1998年より団地内を造成して新たな住宅ができ、
また2000年4月より、堀の内第一トンネル、第二トンネルが開通し、団地内の交通量が多くなっています。
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これからの測定値の変化を見守っていきたいと思います。
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紅葉台のNO2汚染データ
1997年6月〜200年12月
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八王子市にある紅葉台(住宅街)は関東平野の西のはずれにあり、
東京を一望できる高台に位置し、後ろには高尾山、初沢山など連なっています。
高尾山にトンネルを貫く圏央道計画が発表されてから、
圏央道と都心を直接結ぶ八王子南道路計画がうかびあがりました。
きれいな空気と静かさがとりえの紅葉台の環境悪化を心配する住民は
1986年10月からNO2測定運動を始めました。
1998年6月からは住宅地内の21箇所で100mメッシュ測定を始めました。
これは今までの約17ヵ所の任意の測定地点とは異なっています。
図1は紅葉台東交差点と看護学校前(南道路予定地),その他の測定値,
そして住宅地内100mメッシュの平均値を図示したものです。
この地域では町田街道のNO2汚染が高く,交通量の少ない道路はきれいである
ことがわかります。
ここで2000年6月の値がいずれも低いですがこのとき雨が降ったため低い値が出ています。
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2000年12月の測定期間の直前には急に冬型の気圧配置に変わり逆転層が無くなり、
冬の測定値としては低く出ています。
図1より分かるように、幹線道路は汚染空気の発生源となるので、
南道路が建設されてしまうと紅葉台の環境を著しく悪化させることは明らかです。
ところが不思議なことに、この道路計画に伴う東京都の環境アセスメントによると、
南道路ができることにより空気の汚れが現時点よりもきれいになると言っています。
アセスメントが間違っているということが私たちの住民運動により明らかになりました。
しかし、建設省はこのことについて私たちを安心させる回答をいまだ出してはくれないばかりか、
何の対策もとらないまま私たちの住宅地のすぐ南側に大型幹線道路と
そのトンネル工事を押し進めようとしています。
もっとよく計画を練り直し、住民と話し合うことを私たちは建設省に要求し,話し合いを続けています。
(高尾紅葉台自治会南道路対策委員会)
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裏高尾の二酸化窒素の測定
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裏高尾圏央道反対同盟では、住民による自主アセスメントとして逆転層の観測から始め、
二酸化窒素の測定を現在まで続けています。
当初は毎月の測定、三年目からは6月と12月全市一斉の測定に合わせ、24時間の測定を3日間行なってきました。
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測定地点は中央道沿いから、参加者の住まい近くまで114ヶ所に及びます。
毎月測定した2年間のデータを全測定地点の平均値を求めて、年変化をグラフにしました。
夏に低く、冬に高い値を観測しました。(図1)八王子市内でもこの傾向が見られます。
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次に、13年にわたる観測で、値がどのように変わってきたのかを、全測定地点の平均値を求めて
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図2に示しました。ほぼ横ばいであることが分かります。
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各測定地点は、中央道に沿っていたり、山の中であったりするため、
測定地点を中央道と都道の距離によって分類し、それぞれの平均値を求めました。
測定地点はA1からYまで11に分け、データ表に示し、さらに6月と12月の測定を
分けて平均値を求めました。(表1)
この表から二つの事が分かります。
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一つは現在の裏高尾の二酸化窒素濃度の最低値は、都道沿いで観測され、
その値は0.018ppmで有ること。
これは、圏央道環境影響評価書で、裏高尾地区の大気汚染のバックグラウンド値とされている
0.015ppmより高いことになります。
二つ目は、この表の6月と12月の部分をグラフにしてみると分かります。(図3)
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この図から、6月と12月の測定値の平均値の差は、中央道に近いほど大きいことがわかります。
これは、12月に発生する逆転層によって、中央道からの排気ガスが拡散しにくくなっていることを示していると思われます。
この6月と12月の差は、八王子市内では測定場所にかかわらず約0.01ppmであることから、
裏高尾では谷間地形のために市内より逆転層が発生し易いと言えるでしょう。
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また、測定場所を、猪ノ鼻山を境にして西と東に分けてデータを解析してみました。
詳細は省略しますが、どちらかというと東の方が測定値が高いという傾向が見られました。
これは圏央道のアセスメントで、裏高尾換気塔(圏央道の八王子城山トンネルと
高尾山トンネルからの排気ガスを吹き上げる)からの汚染物質が一番濃く着地するのが
荒井と駒木野地区の付近であることと一致します。
今後も測定を続け、圏央道による影響を予測するなど、裏高尾地区の環境を見続けていきたいと思います。
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水谷さんの心配
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1990年、10年前の測定値 0.018、0.022、0.027。
最近のワースト3、0.039、0.045、0.059。
これはわが家のNO2測定値です。ずいぶん空気が汚れてきていることがわかります。
わが家の附近も開発で緑が激減する一方、車の増加で大気汚染が進み、
騒音も強まり、おまけに乾燥でほこりも多くなってきました。
そのせいか、私も家族も、ここ数年来、アレルギーに悩まされるようになりました。
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「測定ニュース」にのせられた、いろいろな意見を読み返してみて、具体的な対策が、
遅々として進んでいないことにがっかりしたり、憤りを感じたりしています。
5月の連休中には、静けさがもどり、小鳥のさえずりで目がさめ、空気もさわやかで、
とても幸せな気分にひたれました。
こうした日々が毎日続くようにすることが急務だと思われます。
(水谷)
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山本さんの世界が広がった
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私が測定を始めたのは、93年の12月。それから、もう、6年半が、、、、、、。
私が大気汚染に興味を持ったのは、教員の社会科の勉強会が始まりでした。
5年生が公害の学習を勉強する時に、過去(4大公害など)より、現代のことのほうが
より分かりやすいという話になった訳です。
だったら何があるか。横田基地の騒音問題。他にないのかとあれこれ、さがす毎日。
そんな時、ふと、私の目に飛び込んできたのが、高尾の博物館の講座でした。
『大気の汚れが、樹木を枯らす』といった内容のものでした。「これだ」と、ばかりに飛びつきました。
光化学スモッグやぜんそくで苦しむ人がたくさんいることを知り、ますます関心が深まりました。
そして、この7年余りで、私の生活スタイルががらりと変わりました。
まず、1つは、もちろん大気汚染についての取り組みで二つめは自然保護団体での活動です。
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そもそも、博物館の講座は、都の広報で知ったので、毎月の広報は、すみずみまで見るようになりました。
そして、この測定ネットを知った訳です。私が八王子の自宅で測定した、今までの結果はグラフのとおりです。
私が勤務している昭島のネットの人とも知り合い、学区域20ヵ所を、毎年5年生が測定しています。
立川の農業試験場では、環境部があって、雑木林の空気の浄化能力を研究していることを知り、
さっそく足を運びました。もちろん、各地の、公民館や消費生活センターの講座へも積極的に参加する毎日です。
蛇足ですが、やはりタウン紙で自然保護団体の観察会があるのを知ったのです。
自然の中に入っていって、いろんな空気にじかに触れることも大切と思い、参加しました。
そして、今では、この活動が、大気汚染とともに、私の生活のほとんどを占めるようになったのです。
(山本)
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